『千古の名歌「いろは歌」に倣ひ、假名の四十八文字を全部、そして一度だけ使ふ歌を一千首詠みましたが、その中から「いろは順」に四十八首を撰んでカルタにしました。作者が棋士なので内容を圍碁に限定しました。ご愛用のほどを・・・。
新いろは歌 家元 中山典之

2月16日は典之師のご命日です。昨年が十三回忌でした。
典之師は稀有なる異才の天才であり、囲碁棋士としてのみならず、歌人として
エッセイストとしても卓越した作品を多数創出されております。ここに
生前の業績のほんの一部を、ご紹介してご冥福をお祈りいたします。
「圍爐端歌百吟」は平成11年11月9日に初版第1刷として出版されたものです。
ここには、いろは48文字を一度だけ、そして48文字全部を使い切ったいろは歌が
百首納められています。
大和言葉の奇蹟 無数の四十八文字歌を是非ご賞味ください。


中山典之先生の事
(日本棋院棋士七段 平成22年2月16日没 享年78歳)
中山先生にはわずかな期間でしたが色々お世話になりました。
先生にお目にかかったきっかけは、囲碁川柳つながりで『碁柳会』の会合にお出で頂いた時からでした。多分2000年前後から。
千葉の先生の道場や忘年碁会にお招き頂いたり、「圍爐端歌百吟」で拙句の添削をして頂いたり。普段のお顔とは別にお優しい方でした。
私のこの囲碁川柳シリーズを『百花百句撰』としてお届けできればと思っています。
中山先生プロフィール 日本棋院棋士 六段 (2001年当時)
主な著書
- 「実録囲碁講談」(日本経済新聞社)
- 「碁狂ものがたり」(日本棋院)
- 「初段の戦略」(日本棋院)
- 「囲碁の魅力」(三一書房)
- 「碁裡夢中 囲碁いろは川柳」(三一書房)
- 「加藤実戦講座」(全3巻)
- 「小林流必勝置碁」(全6巻)
- 「梶原流電撃戦法」(全2巻)
- 「囲碁の世界」(岩波新書)
- 「圍爐端歌百吟」(芸艸堂)など囲碁関係書多数
中山先生讃歌 <kiku 詠>
久しく紛失してしまったと思っていた資料が、当時作成していたホームページのバックアップデータ
の中から蘇ってきました。これも奇しきご縁かと思い掲載させて頂きました。
典之師 いろは歌得て 四十年を 詰碁作品 智慧溢れ 鬼神も負け 居留守 なほ笑えぬや 寝む
のりゆきし いろはうたえて よそとせを つめこさくひん ちゑあふれ おにかみもまけ ゐるす なほわらへぬや ねむ
圍碁いろは歌カルタ <以下 典之師 詠>
いろは歌詠(うたよみ) 名乗(なのり)あげ 圍(い)碁(ご)に智慧(ちゑ)追(お)ひ 夢(ゆめ)を得(え)ぬ 照(て)る月(つき) 笑(わら)へ 星(ほし) 眠(ねむ)れ 吹(ふ)く風(かぜ)止(や)まず 怎麼生(そもさん)と
盧(ろ)に 春(はる)の風(かぜ) 吹(ふ)き初(そ)めて 老松(おいまつ)八千代(やちよ) 咲(さ)くすみれ 呆(ほ)け得(え)ぬ所以(ゆゑん) 圍(い)碁(ご)を練(ね)り 友(とも)あひ馴染(なじ)む わらべ唄(うた)
花(はな)摘む(つむ)野末(のずゑ) 日(ひ)も落(お)ちて 空(そら) 夕焼(ゆうや)けし 色(いろ)冴(さ)えぬ 鳥(とり)聴(き)く民家(みんか) 梅(うめ)數(あま)多(た) 吾(われ)へぼにせよ 圍(い)碁(ご)を練(ね)る















